<4> 馬小屋ライブ
   昨年、北海道にまた一つ居心地の良いライブ・スペースができた。東神楽町の「馬小屋音楽工房」である。運営しているのは三味線奏者の平正義さんと琵琶奏者の平ゑつこさんのご夫婦だ。

 平さんは昨年札幌から東神楽のご実家に引っ越された。そこには平さんのお祖父さんが建てた古い馬小屋があった。今は使われていないが柱などは非常に良い状態だったので、有志の方達で手を加え、2階建ての素敵なライブハウスに改造した。

 平さんには以前から共演その他でお世話になっている。ある日平さんから頂いたメールで馬小屋のことを知った。既にライブが何度も開かれ、毎回非常に盛り上がっているそうだ。近所のおばちゃんたちも常連さんで、まるで農家の土間に集まってごぜさんの歌を聴くような雰囲気だという。私もぜひそこでライブを、とお願いしたところご快諾頂いた。「午年の正月に馬小屋で馬頭琴」という馬が三拍子揃ったライブが決まった。

(c)ぽん田中 当日は雪の中を沢山の人が来てくれて馬小屋は満員御礼だった。ライブの中身はモンゴルほかアジア中央部の音楽と、ぽん田中による馬頭琴伝説の語り等だったが、馬頭琴・喉歌ファンの方だけでなく、常連さん達にもご好評頂いた様子だった。

 無事ライブが終了すると、ライブハウスはそのまま打ち上げ会場になる。テーブルには持ちよりの酒、肴が並べられ、ビール、甘酒、日本酒、アルヒ(モンゴルの蒸留酒)が進むにつれて、三味線、琵琶、歌、尺八、馬頭琴、体操、謎の踊り(←かなり終盤)が繰り広げられた。真冬の打ち上げでは、ちょっと外に出てほてった体を冷やすのも気持ち良い。外から見ると、馬小屋の窓から暖かい明かりと笑い声がもれていた。これから先どんな音楽が馬小屋に響くのか非常に楽しみだ。

嵯峨治彦のおうまさんといっしょ
 <4>馬小屋ライブ
2002/02/01

 

のどうたの会 ホームへ


All rights reserved.
(c) The Throat-Singing Soceity, Japan
のどうたの会 嵯峨治彦 nodo@ma4.seikyou.ne.jp