ネルグイ北海道ツアー2005の目的
今回招聘するネルグイ氏(55)は、北海道とほぼ同緯度に位置するゴビ砂漠(モンゴル)に生まれ育ち、実際の遊牧生活の中で演奏を続けてきた数少ない馬頭琴奏者の一人である。
本事業では、現代モンゴルで失われつつある遊牧民演奏家の馬頭琴を広く道内に紹介するともに、モンゴル民話の語り、研究者によるスライド講演、後継指名された日本人奏者との師弟共演などを交えて、馬頭琴を軸に多角的にモンゴル文化を掘り下げる。
これらは、北海道とモンゴルが共有する「北方圏の生活」、「馬の文化」を通じての深い相互理解と、音楽を介しての生き生きした文化交流の推進を目的とするものである。北方諸民族文化交流2005 プロジェクトN実行委員会
コンサートの趣旨
このたび、ドンドゴビ在住の牧民演奏家ネルグイ氏を日本にお迎えしてのコンサートツアーを企画しました。 氏は馬頭琴を独学で習得しただけにとどまらず、その独創的な演奏技術をもって過去に行われたコンクール(当時、モンゴル人民共和国)で金メダルを4回も受賞するなど高く評価される演奏家です。 氏は民主化以降は、ひとりの牧民としてゴビで遊牧生活を行いながら、自宅に客人が来たときや近隣の友人たちのお祝い事の時などに出向いて演奏をしている、いわば馬頭琴が生活の一部となっているような人物です。専門の演奏家たちが街で舞台芸術としての馬頭琴の発展を追求するという流れとは異なるところで、むしろ、馬頭琴の原点、強いては音楽の原点であるかのような音楽との関わりを今に伝える数少ない演奏者の一人です。 今回のコンサートはこのような特徴的な背景を持つ演奏者をお迎えして、生活の中にある馬頭琴の演奏を紹介し、さらには、写真スライドショーや馬頭琴説話の読み聞かせなどを通して、多角的にモンゴル文化を日本に紹介することを目的としています。
2003年 ネルグイ初来日にむけて
モンゴル情報紙しゃがぁ 西村幹也
後援:駐日モンゴル国大使館
のどうたの会事務局
tho@sings.jp