PROFILE
ネルグイ日本ツアー 出演者プロフィール
●ネルグイ (馬頭琴奏者、遊牧民)
ドンド・ゴビに暮らす遊牧民。52才。5歳の時に、板きれと紐で馬頭琴を自作して演奏を始める。(当時はまだ「モリンホール=馬頭琴」という呼び名はなく、単に「ヒル(弦楽器)」と呼ばれていたそうだ。)その後独学で奏法を極め、全モンゴル馬頭琴大会で金メダル4つ、銀メダル2つ、銅メダル3つを受賞。モンゴル国・第一文化功労者。北極星勲章(モンゴル文化省最高勲章)受賞。ゴビの天才と讃えられ、社会主義時代は劇場勤めの演奏家としても活動。旧東側諸国でも演奏。国立馬頭琴交響楽団の設立当時のメンバーでもあった。ウランバートルの高名な馬頭琴職人・バイガルジャフ氏(セイヨーコーポレーションが輸入・販売)も彼の弟子の一人。モンゴルの民主化後は故郷のゴビに帰り、家族とともに遊牧生活を続け、呼ばれればその自慢の腕前を披露する生活を楽しんでいる。
ちなみに、彼がゴビで身につけた奏法(※)は、近年統一されたいわゆるスタンダードな奏法とは異なるのですが、ネルグイ氏特有の運指法がもたらす複雑なフレージングは、協和音、不協和音を次々と繰り出し、その分厚い音色は、まさにゴビの自然の雄大さを思わせる。また、時折り見せるユーモラスなアレンジが何とも言えないほのぼのとした空気を醸し出すのも魅力。
2003年、project-Nによって初来日。北海道から沖縄まで全国約20ヶ所のツアーで、全国にネルグイ旋風を巻き起こす。有志の手によるアットホームなコンサートで2004年,2005年2月にも来日公演。
(※)ネルグイ奏法に関しては、コチラをどうぞ。馬頭琴の意外な歴史も書かれています;→「N-dimension...」
●CD「ゴビの馬頭琴弾き」
彼の演奏は、モンゴル情報紙「しゃがぁ」が制作した、現地録音盤のCDで聞くことができます。オラン・サイハンチの至芸が堪能できる1枚。ネット通販で入手可。試聴もできます。
試聴 「ジョノン・ハル」 [362KB 要RealPlayer]
●西村幹也 (モンゴル研究者、 モンゴル情報紙「しゃがぁ」代表)
モンゴル情報誌しゃがぁ代表。文化人類学を専攻し、モンゴル地域に深く入り込むようになって10年以上になる。厳寒の山岳地域でトナカイに囲まれての越冬、灼熱のゴビに住む熊を求めて放浪、そして時にシャーマンと語らうなど、フィールド経験は豊富。モンゴルを伝えていこうと、これら経験を情報紙やインターネットで情報発信したり、自己所有の民具展示、写真展、講演会など手広く活動している。「モンゴル人のように自然をみたらどのように見えるのか?」をテーマにモンゴル地域をうろつき続けている。「アジア読本モンゴル」「ワールドカルチャーガイド モンゴル」などに寄稿しているほか、雑誌などへの寄稿は多い。元国立民族学博物館外来研究員。
■新たに厳選した貴重な写真(スライド)と話題で、ゴビについて楽しく解説。またネルグイさんの通訳を時にツッコミを入れながら担当。
詳しくは彼のウェブサイトで
→ http://www.netlaputa.ne.jp/~SHAGAA/info.htm
●嵯峨治彦 (馬頭琴&喉歌、 のどうたの会代表)
モンゴルの伝統音楽をベースに独自の表現を追求。等々力政彦(トゥバ音楽)との「タルバガン」、金子竜太郎(和太鼓)、EPO(歌)との「Aguri」など活動は多岐にわたる。鼓童、松任谷由実ほかアルバム参加多数。ネルグイ氏の馬頭琴に感銘を受け、独特の奏法を研究。2001年ゴビでネルグイ氏に後継者として指名された。
■…とはいえ、あまりにも自由な師の演奏にどう対応するのか、今回の師弟セッションも油断できない! 見逃せない!
詳しくは「のどうたの会」のウェブサイトで
→ http://www.tarbagan.net/nodo/bureau/sagaprofJ.html
●田中孝子 (語り)
演劇活動やNHKリポーターを経て、98年嵯峨治彦とユニット「野花南(のかなん)」を結成。語りと民族楽器を緻密に融合させた独自のスタイルで、民話・童話・詩など幅広いジャンルを演じ、全国でライブ活動を続けている。夏になるとゴビや内モンゴルを訪れ、草原の乾いた風や甘い香り、延々と長引く宴会を満喫
■今回は、馬頭琴誕生にまつわるモンゴル民話を生演奏にのせて語る。また、巧みな手綱さばきで3頭を操るツアーのまとめ役でもある。
主催: 北方諸民族文化交流2005 プロジェクトN実行委員会
のどうたの会事務局
tho@sings.jp