●「声」●
喉からの声は、もともとたくさんの種類の周波数の音が重ね合わされて
出来ています。ですから、普通に歌っているときでも、いわゆるホーミー
的な現象は常に起きているのです。たとえば、「あー」とか、「うー」
とか言いながら、よく耳を澄ますと、高い音階の音がかすかに聞こえるのに
気づくかも知れません。これを倍音といいます。声に限らず、あらゆる楽器の
音は基音とその倍音が色々な割合で配合されて出来ています。配合の割合に
よってその楽器の音色が決まるということにも成ります。
のどうたにおいては高周波成分をたくさん含むような声にした方が
より強くきれいな共鳴音が出せるので、独特の「だみごえ」的なもの
が用いられることが多いようです。共鳴させる周波数によっては、それほど
喉に力を入れなくても、口腔の中を適切な形と大きさに調整することで、
容易に共鳴音を出せることもあります。
●「共鳴音」●
共鳴音は、声の1オクターブから、およそ4オクターブ上の音になります。
テクニック的には高い倍音を正確に出すのはとても難しく、また、喉を極度に
緊張させる必要が出てくるため、大体4オクターブ上の音が上限ということに
なってしまうようです。
これらの音は、声の高さに対して相対的に決まってしまいます。今、あなたが、
「ド」の音の声を出すとしましょう。すると、その音のn倍音は、鍵盤(平均律)
でm個右に位置する音になります。(下表)
n | m | 音階 |
1 | 0.0000 = 0 | ド(基音) |
2 | 12.0000 = 12 | ド |
3 | 19.0196 〜 19 | ソ |
4 | 24.0000 = 24 | ド |
5 | 27.8631 〜 28 | ミ |
6 | 31.0196 〜 31 | ソ |
7 | 33.6883 〜 34 | シb |
8 | 36.0000 = 36 | ド |
9 | 38.0391 〜 38 | レ |
10 | 39.8631 〜 40 | ミ |
11 | 41.5132 〜 42 | (ファ#) |
12 | 43.0196 〜 43 | ソ |
13 | 44.4053 〜 45 | ラ |
14 | 45.6883 〜 46 | (シb) |
15 | 46.8827 〜 47 | (シ) |
16 | 48.0000 = 48 | ド |
本会会員のthroat-singing を、聴いてみませんか?