2006年 \2,500 |
『 マガリヤ 』 / 野花南 (のかなん) 馬と人間の織りなすファンタジーを、モンゴル〜ハカス(シベリア)の遊牧民の歌や、様々な民族楽器のサウンドで彩って、「曲がり家」に詰め込みました。田中孝子 [語り、ギターほか] と 嵯峨治彦 [喉歌、馬頭琴ほか] のデュオ「野花南」が、7年間のライブ活動で育んだ人気の演目に最新作を加えてついにアルバムをリリース。ドリームランドとしての東北アジアに思いを馳せる一枚です。
2006年
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●レビュー
■ミュージックマガジン
野花南は昨年8月号本欄で取り上げた二人組タルバガンの片割れによる別ユニット。モンゴル原産の喉歌と馬頭琴をやりながら女性ナレイターとでホンワカした童話的な世界を展開する。いつも言うとおりぼくは喉歌が嫌いだが、その生理的に異様な音を誇示せずに、童話的世界の中にソッと潜ませるこの試みはとても有効で面白い。/中村とうよう(ミュージックマガジン 2006年6月号)
■ラティーナ
モンゴル音楽(馬頭琴・ホーミー)と日本語の語り。そんなフレームだけ聞いた段階では、「みんなのうた」的にものわかりのいい(よすぎる)アルバムを予想していたのだが、さにあらず。遊牧民をイメージさせる”駆ける”リズムと、日本人なら身におぼえのある”1拍子”的な「謡い」の感覚がきめこまやかに交錯する、なつかしくも新鮮な世界が展開されていた。語りを舞台女優でもあるたなかたかこ、馬頭琴とホーミーを嵯峨治彦が担当。ハカス民謡(というのがあるのですね)を嵯峨がアレンジ、日本語詞をたなかと嵯峨、二人で共作したというE(=「ぱかじゃあ」)には、ザップ・ママが得意としていたアフリカ輪唱に通じる感覚も。ほぼノン・リズムで歌われるB(=「いとぐるま」)も、対照的な作風ながらおもしろい。詩や民話の朗読の部分には、正直、ひるむところもあったのだが、声と弦とが織りなす”絡み”の妙に気づくにつれ、忘れられない1枚に。 /真保みゆき(ラティーナ 2006年6月号)
●野花南(のかなん) = 嵯峨治彦&田中孝子 〜 語りと音楽のユニット
舞台女優の田中孝子と、馬頭琴&喉歌の嵯峨治彦が結成したアコースティック・デュオ。
民話、童話、詩などに、伝統曲やオリジナル音楽を有機的に結びつけて生演奏。全国各地でライブ活動。主なレパートリーは、モンゴル民話「スフと白馬」、「黒い馬の物語」、東北民話「おしらさま」、宮澤賢治「林と思想」、金子みすず「私と小鳥と鈴と」ほか多数。ユニット名は北海道の地名に因む。