『 独学は楽し』
(1999年 8月8日 NNL Vol. 17)
モリン・ホール(馬頭琴)の独学を続けている。指導が得られない分練習の効率は良くないが、場合によっては好都合なことも多い。 その一つが、音階や運弓等の基礎練習を強制されなかったことだ。重要性の理解できない練習で楽器への興味を失ってしまう人もいるというが、好きな曲を弾く所から始めた自分の練習は常に強い興味を伴っていた。 また、演奏の出来・不出来は自分で判断せざるを得ないため、腕より耳が未熟な間は、それなりに「弾けた!」と思うことが許された。腕と耳の相互の成長に伴って、そんな確信は生まれては消えていく。しかし、打たれ強くはない自分にとって、そんな確信は練習の原動力になった。 馬齢四年目を迎えた今、さすがに基礎練習や良い指導者との交流の重要性は解ってきた。しかし、これから楽器を独学で始める方には、ぜひ試行錯誤の楽しさも味わって欲しいと思う。楽器は最高のおもちゃで、独学はパズルを解くのに似ている。ヒントは少なければ少ないほど面白い。制限時間は無い。 |
のどうたの会 嵯峨治彦 nodo@ma4.seikyou.ne.jp