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『年を越す』

(1999年 12月24日 NNL Vol. 20)


  のどうたの会も年を越す。「個人事業主」として新たなスタートを切った今年は、おかげさまで音楽的に大変充実したものとなった。

 喉歌や馬頭琴といった音楽分野の活動は、現代だからこそ成立するのだろう。例えば昨今のインターネットの普及。マイナーな分野であっても、ウェブ上では多くの人に向けて新鮮な情報を発信できる。

 また、近年は日本の経済的発展が落ち着いたことで、明治から高度成長期へと続いて来た欧米文化崇拝の風潮が、かげりを見せてきた。このことで、アジア音楽の情緒に共感し率直に魅力として受け止める感性が、日本人に取り戻されてきたように思える。

 しかしなんと言っても、本会の活動は共鳴し合える「のどうたファン」の存在に支えられている。お世話になった皆さん、本当にありがとう!

 遊牧民の音楽は、現在進行形で日本に伝来している。この音楽の魅力を、そして黎明期特有の活気を、これからも多くの方々と楽しんでいきたい。二千年も「のどうたの会」をどうぞよろしく。

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のどうたの会 嵯峨治彦 nodo@ma4.seikyou.ne.jp