『マガリヤ』
●アルバム「マガリヤ」のコンセプト
モンゴルに伝わる遊牧民の民族楽器「馬頭琴」は、人間と馬とのつながりの深さを象徴しています。一方、日本においても人間と馬とは長い付き合いで、その関わりの深さは、全国各地の祭礼、音楽、生活の場、そして民話の中に様々な形で残っています。
「マガリヤ」のテーマは、馬と人間の絆です。モンゴル〜シベリア(ハカス共和国)〜日本という東北アジアに、音楽と物語を通してファンタジックに思いを馳せる、そんなアルバムを目指しました。
野花南のライブをご覧いただいた方にはおなじみですが、私たちの演目には、実は音楽のみの作品もたくさんあります。(→ そのわけは、プロフィール/スタンス をご参照下さい。)そこで「マガリヤ」の制作は、まず音楽作品と語りのバランスを見直すところから出発しました。打合せを重ねた末、通常の音楽アルバムとして聴いていただけるような楽曲の内容・時間・配列を確保すると同時に、「語り」の作品もしっかり味わって頂けるようアルバム終盤に民話の作品を2編収録しました。音楽ファンの方にも語りファンの方にも、たっぷりとお楽しみいただける構成になったと思います。
レコーディングでは、野花南の8年間にわたるライブ活動の中で練り上げたレパートリーの中から、今一番聴いていただきたい作品を厳選。さらに多数の新作を加え、音楽作品10曲、語り(音楽付き)4編6トラックの、56分のアルバムにまとめました。
このアルバムで、「語りを音楽のように」そして「音楽を語りのように」楽しんでいただけたら、こんなにうれしいことはありません。
たなかたかこ
●「マガリヤ」とは
古くから馬産地として知られる東北地方では、農家の母屋に厩(うまや)が直角に連結されたL字型の家屋「曲がり家」の中で、人と馬が一緒に暮らしていました。
The Tohoku region is nationally-renowned as a
horse-breeding area from long ago, and is also
home to many magariya, or L-shaped houses, shared
by humans and horses. The short side of the L was
used as a stable for the horses, and the long
side served as a living area for farming
families.
( English
translation : ann-elise lewallen )
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